髑髏城の七人 下弦の月 12/02(土)18:00

12/02(土)18:00 観劇2回目 2列センターブロック

※ネタバレ満載の備忘録です

初日に全景を見て、2回目は前列でがっつりと。ステアラで前方列は初めてだったが、劇場の規模の割にステージが近くて驚き。舞台機構上、ステージが低いからなおさら近い。とてもじゃないけど上下左右とも全ては視界に入らないが、それがまた臨場感があって良い。ただし、ラストの兵庫と太夫のシーンなど上手や下手端での芝居はとても見づらい。

近距離で観る天魔王の表情の凄さに圧倒。オープニングのダンスから表情がすごい。薄笑いを浮かべて小馬鹿にしていたり、口をへの字に歪めて大げさに嘆いてみたり、目を見開いて怒りを露わにしたリ。決して大きくはない鈴木拡樹の体格が2倍に思える存在感に気圧される。殺陣は初日に感じた固さや不慣れ感が抜けてきているように見えた。マント捌きも上達してきてる感じ。拡樹くんはもっと立ち回れると思ってるので、進化にまだまだ期待。2幕頭の天蘭の立ち回りで天が扇子を飛ばしてしまい、蘭の刀を扇子で受け止めていなす所を腕で止めて指先で刀をトントンと弄んでみせてて、扇子でやるより色気満載でむしろこっちの方が好きかも。ラストの捨天の殺陣、マチネで天魔王のかつらとマイクが取れてしまうアクシデントがあったようで、天が髪を前に流してから立ち回るなどの対応が加わってた。かつらが飛ぶことこそなかったけど、マントを外す手で相当手間取ってて、ヒヤリとしてしまった。やる事多くて大変なシーンだろうけど、バッチリ決まるのを観たい。ソワレでは、かつらは天魔王じゃなく贋鉄斎が取れてたっけ…。同じアクシデントでも贋鉄斎だとネタで処理出来るね(笑)
最期鎧を剥がされ「これが人間界だ!」と突きつけられた天魔王の怯えの表情がとても哀れな人間の表情で泣けた。

生駒の最期、笑いながら自分から刀に喉笛突き刺して自害する壮絶さが好き。天の1番近くで髑髏党と天魔王を支えてきて、多少なりとも信頼されている必要とされていると錯覚していたかった望みが裏切られての結末なのかな、と感じた。鈴木天は狂人というよりはどこか冷静さと計算高さがあって、だからこそ生駒自身信頼など錯覚だとわかっていたけど気づかないふりをしていたのではないか、と。自分の刀に突き刺さった生駒を見る天魔王の目が堪らなかった。

廣瀬蘭兵衛は初日から1週間でよくぞと思うほど、殺陣が良くなってた印象。特に1幕ラストの髑髏城に向かうシーン。間近で見た迫力の違いだけでは無いはず。スピード感と安定感が格段に増してた。夢見酒のせいではなく人の男の言葉によって自ら裏切って蘭丸に戻った蘭兵衛の心情をもっと考えたい。殿に心酔していたけれど、その殿に自由に生きろと言われ、無界屋を作り、きっと太夫と恋仲になり、幸せと言ってもいい環境を作れていたはずなのに、そこが良い街かどうかもわからない。捨の言葉通り、明日を向いていない。かつて心酔した殿の存在は過去から強烈に蘭を掴んで離さず、そこをわかっていた天に惑わされてしまったのかな。もう少し見極めたい

宮野捨之介、無界屋に入るところのダンスシーン楽しそうで良かった。ラストの「がらじゃねーよ!」の台詞がとってもかっこよくてときめいた…。木村兵庫、荒武者隊と合わせてとても魅力的。細かく遊んでて憎めない真っ直ぐでバカな兄貴分の魅力全開で、本当に良いキャラ。

カーテンコールで、初日もやってた蘭が太夫のエスコートするのはお約束になったのかな?それを見た捨がやれやれって顔で見送るのがとても良かった。3回目でようやく見れた笑顔で、やっと拡樹くんが見えて何だかホッとしたり。開始1週間、まだまだ今後が楽しみ!