髑髏城の七人 下弦の月 12/09(土)18:00

12/09(土)18:00 観劇5回目 3列上手ブロック

※ネタバレ満載の備忘録です

宮野捨之介の仲間思い度がどんどん増してる感じ。拡樹天魔王の最期の後、馬鹿野郎の嘆きが本当に痛々しい…。本当に救いたかったんだね、天魔王も蘭兵衛も。宮野真守が演じる捨は、真っ直ぐで心から昔の仲間を想っていて、きっと救えると信じている捨之介で、蘭も天も救えなかった後の絶望が辛い。

やっと気づいたんだけど、拡樹天が鎧を剥がされた後の一人称が「俺」に戻ってる。冒頭、天の鎧を手にして「今日から俺が、いや私が天魔王だ」と謳い上げて始まった天魔王、仮面が剥がされて矮小な人間に戻ってしまったのを象徴してるんだな。殿の最期の言葉を口にする天魔王が吐き捨てるように感情をぶちまけるのが、人間の愚かさとか醜さをこれでもかと見せつけられて、思わず眉を顰めたくなるくらい…素晴らしい。マント捌きがどんどん上達してる。今日1ヶ所、目を見張るほど綺麗にマントが円を描いていて、とても美しかった。席の位置的に人が被っちゃって生駒の最期の時に全く天魔王の表情が見えなかったのが残念。

全体的に殺陣も良くなってきてると思うけど、1幕最後の蘭兵衛さん、仕込み刀を出す所でちょっとモタついててヒヤッとした笑 斬られた髑髏党員がちょっと刀差し出してた…笑 太夫の歌声と真っ白な彼岸花の中の立ち回り、印象的で美しくて切ない名物シーン。初日あたりは舞うように立ち回ってるのかと思ったけど、豪快に飛んだりしてて、後半の口説きに陥落してからを考えると、バッサバッサと豪快に人を斬る立ち回りの方がむしろ有りかな、と思えてきた。

兵庫たちが髑髏城に向かうシーンで、後ろからひょっこり顔を出して追いかけるいん平にいつも泣いちゃう。いん平&兵庫vs爪月の百姓対決も大好き。拍手せざるを得ない必殺仕事人のテーマも大好き。荒武者隊は100%勇気。全体が本当に良くまとまってるだけに、贅沢も言いたくなってきた…。個人的には贋鉄斎と捨之介のシーンはもっと遊んで欲しい!宮野捨もちょっとずつ遊ぶようになってきてるけど、もっともっと!鳥髑髏の阿部サダヲ池田成志の下北芝居が好きすぎたせいもあるんだけど、あそこがシンプルだと物足りない!笑とか。本当に贅沢。こんな贅沢を言えるお芝居を、推しで観られて幸せだ。